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Road to Fukuoka インタビュー

【Road to FUKUOKA】三好真司さん③必読!人間本来の力を引き出す4つの理論

投稿日:

三好真司くんラスト

※2016/1/21タイトル変更しました

9月上旬から続いた【Road to Fukuoka】三好真司さんのシリーズも、これで最終章となります。

最後は、現在の三好さんが強いこだわりを持つ「身体の使い方」に関する取り組みと、福岡国際マラソンへの意気込みを伺いました。

過去記事を読んでないよ~~って方はコチラをチェック!

 

身体の使い方を日々探究

――そういえば、三好さんは以前、「でんでん太鼓走法」なるものを私に教えてくれましたね。

三好:でんでん太鼓!懐かしい。

でんでん太鼓走法とは

でんでん太鼓

でんでん太鼓

例えば上半身であれば「腕を振る」という意識を強く持たず、体幹部分(主に肩甲骨付近)を動かすことで「連動して腕が振られる」状態を作り出すもの。

下半身も同様に、脚を前に出すのではなく、脚の付け根・・つまり体幹部分から脚を出す意識で走る方法のこと。

この走法の良いところは、末端を意識せず全身を使って前に進むことができる点にあります。

イメージ映像:三好さんに「でんでん太鼓」の動きをやってもらいました。

――なんか・・楽しそうですね(笑

三好:動画の依頼が来た日がちょうど、所属する橋本走友会の合宿で、みんな酔っぱらってたんです(笑

――映像は、いわゆる「太鼓」の動きですね。

三好:そうです、こうやって走っているわけではなく、「でんでん太鼓」のイメージを体で表現しています。

 

――映像のように、でんでん太鼓でいう紐部分が腕に、軸の部分が体幹になるわけですね。

三好:はい。脚の意識は難しいのですが、腕ならばイメージは簡単です。腕は紐ですので、あまり力を入れず、身体(体幹)の動きに合わせて、根元から動くイメージを持って走ります。

――やはり重要なのは体幹の使い方、ということでしょうか。

三好:そうですね!現在では、でんでん太鼓から派生して、しっかりと体幹走りを学び始めています。

――色々考えてますね!こういった話は、どこから情報を得るんでしょうか?

三好:元々、でんでん太鼓の考え方は、骨ストレッチ(※後述)の本で見つけました。そういうのを見つけるのは、色々興味があって調べてるから・・ということになると思いますが、僕の考え方の基本は「4スタンス理論」にある思っています。

 

4スタンス理論

――「4スタンス理論」ですか。

三好:自分に合ったフォームを探したくて、いろいろ調べていたら、4スタンス理論に出会いました。

4スタンス理論とは、人にはそれぞれ生まれ持った重心の取り方があり、大きく4つのパターンに分かれるという考え方。

 

――三好さんは何タイプですか?

三好:僕はB2です。B2は、カカトの外側に重心があり、肩と腰のラインがクロスにねじれるように動くタイプです。ちなみに石崎さん(筆者)はA1ですよね?笑

――えっ・・そうなんですか??

三好:最近は他人のタイプを予想するのもブームです(笑)。石崎さんは、苦しくなると肩の動きがクロスになりますし、上りよりも下りの走りがスムーズなので、A1だろうなぁと思いながら見てますよ^^

 

――ほほう・・なるほど。。自分のタイプが分かった時に、どのような活用方法があるのですか?

三好:腕の位置や、重心移動の意識箇所など、色々ありますが、例えば「5ポイント」という考え方があります。
4スタンス理論の基本の5ポイント(首の付け根、みぞおち、股関節、膝、足首)のうち、タイプごとに3つの安定ポイントがありますので、その3点が一直線に揃うようにすると体が安定します。また5点全て揃えるとより大きな力を出すことができます。

――たとえば、私のA1の場合はココを意識すると良い・・などがあるのですか?(完全にコーチが生徒に聞くモード)

三好:そういうことです!本の内容を詳しく書くと怒られそうなので、ぜひ本を買って読んでください(笑)

――なるほど、そうします(笑)

 

骨ストレッチを通じて学んだ「骨の観察」

三好:以前、「骨ストレッチ」というものに興味を持って調べていたことがあるのですが、その時に人間の骨格について少し、勉強もしました。

――「骨ストレッチ」ですか。聞いたことはありますが、具体的にはどんなものですか?

三好:簡単に言うと「筋肉ではなく骨を使う」ための運動・・という感じです。

――骨を・・使う??

三好:先ほどの4スタンス理論もそうですが、頑張って筋肉を動かそう、というよりも、自分の骨格に合った動きをすれば、楽に動かせるよね?ということです。筋肉自体を意識して動かすのではなく、骨を動かそうとすることでそこに必要な筋肉が動員されるというイメージです。

――なるほど・・言われてみれば確かに。走っているときは、ついつい筋肉を意識してしまいますが、軸になるのは骨格ですよね。

三好:その通りです!骨ストレッチを知ってから、筋肉の動きよりも骨の動きを意識して走るようになりました。最近では、走っているときに自分の骨格がどう動いているのか、だいたい分かるようになりましたよ(笑

――すごいですね・・(あぜん

骨の動きを確認しながら走っているという。

骨の動きを確認しながら走っているという。

 

屈筋と伸筋、それぞれの連動性

――そのほかに、最近意識していることはありますか?

三好:ここ最近は、屈筋と伸筋の連動性を意識しています。

――クッキンとシンキン・・・?

三好:はい(笑)関節を曲げる時に収縮する筋肉が屈筋で、伸ばす時に収縮する筋肉が伸筋です。
股関節ならば「腹筋が屈筋」で「背筋が伸筋」、膝関節ならば「大腿後側(ハムストリング)が屈筋」で「前側が伸筋」といった具合に区別されます。

 

――その違いが、マラソンとどう関係しているのですか?

三好:ポイントとなるのはその働きと特性です。屈筋はスピードのある動きが得意で、伸筋はスピードはありませんがスタミナがあります。そのため、屈筋は「動作」、伸筋は「姿勢」に大きく関与しています。
また、屈筋は屈筋どうし、伸筋は伸筋どうしが協調しており、この協調関係が崩れるとバランスを保つことが難しくなります。

――縮める筋肉と伸ばす筋肉の協調・・・例えば、走る時にどんなことを意識していますか?

三好:なかなか言葉にするのが難しいですが、「ペースを上げる時は主に屈筋を意識し、ペースを維持する時は主に伸筋を意識する」と表現すると分かりやすいかもしれません。
『屈筋は主に体を動かすのに使われ、力が出しやすい部位』
『伸筋は姿勢を保持するのに使われ、持続性がある』
この辺の違いを意識すると、走っている中でお互いのバランスによってペースが決まってくるように感じています。

 

変換 ~ IMG_1623

屈筋と伸筋に関するアイディアを話してくれた三好さん。なんだか楽しそう。笑

 

――タイムを追うのではなく、良い動きをして、結果的にタイムが出るという感じですか?

三好:そうですね・・おそらく、そういうことだと思います。レースではタイムを追うことも大事ですが、マラソンではそれ以上に、力を温存しておくことが重要です。レース中は、いかに温存するか、いかに無駄な力を使わずに前に進むか?ということを考えています。

 

こだわりの原動力は「人間本来の力」への興味

――本当に研究熱心というか、現状に満足しない探究心に驚くばかりですが、その原動力は何だと思いますか?

三好:僕は「人間が持っている力を生かす」という考え方が好きなんです。逆に、筋トレのような「鍛えて強くなる」ということにはあまり、興味が持てなくて。

――あら、そうなんですね!?筋トレについてもノウハウをお持ちなのかと思ったら。

三好:そうなんです。逆に「いかに鍛えずに速くなるか」ということに興味が強いらしく(笑)、ついついそういう方向に行ってしまいます。

距離走での一コマ。三好さんの走りは「余計な力が入っていない」ことが良く分かります。

距離走での一コマ。三好さんの走りは「余計な力が入っていない」ことがよく分かる。

――筋トレはあまり、やらないのですか?

三好:一応、体幹トレーニングだけは、軸の意識を作る目的で続けています。
ただ最終的には、人間本来の動き、自分の骨格に合った動きをしていれば、必要な筋肉は付くと思いますし、そういうやり方が一番、バランスの良い走りになるような気がします。筋トレは、そのために必要なことを最小限、という感じです。

 

――確かに、言われてみれば、その通りですね。

三好:はい・・誰かが言ってましたね。「腹筋やってるチーターなんて居ないよ」と。笑

――本当だ(笑)最近の快走を見ていると、そんな考え方が大当たりしているような気がします。

三好:ありがとうございます!そうだと良いですね。

 

初の福岡国際で狙うは『びわ湖』

――現在は、初の福岡国際に向けてトレーニング中とのことですが、順調ですか?

三好:はい、今のところ順調です!

――先日も、30Km走(3分50ペースから最後ペースアップして1時間51分)の翌日に10Kmで自己新(32分33秒)をマークする、素晴らしい走りでしたね。

三好:セット練習で自己新というのは自分でもビックリでした(笑)。前日の30Km走で、最後だけパーッとペースを上げたので、良い刺激になったんだと思います。

10Km自己新をマークした流山ロードレース後の一コマ。左が三好さん。右は本シリーズにも登場予定の大黒選手。

30Km走の翌日に参加した流山ロードレースで自己新をマーク。右は本シリーズにも登場予定の大黒選手。

――ズバリ、福岡の目標を聞かせてください。

三好:びわ湖マラソンの標準記録(2時間30分)を狙っていきます!自分の持てる全ての力を”福岡”に注ぎます!!!

――初の福岡でびわ湖狙いですか!でも、最近の走りを見ていると、じゅうぶん狙えそうですね。

三好:はい、最近では、同じ目標を持つ人たちや、既に2時間半を切っている人と練習をして、互角に走れていると思いますし、だいぶ現実的になってきたと思っています。

 

――あの田沢湖の難コースで2時間33分ですからね。

三好:まぁ、このコース図は大袈裟ですけどね。笑

出典:田沢湖マラソン公式

――でもやはり、田沢湖のコースは厳しいコースです。多くのトップ選手が「田沢湖は自己記録+5~6分」と言っていることですし、単純計算で2時間30分は切れることになりますね^^

三好:あんまりプレッシャーかけないでくださいw

――どうしても期待してしまいます。応援しています。

三好:ありがとうございます。頑張ります!

 

最後に、三好さんより。

三好:シリーズ開始から完結まで、長期間ありがとうございました。

――確かにけっこう、長かったね。笑

 

三好:1本目のインタビューが8月下旬だったので、・・約2か月ですかね?

――うん・・・そのぐらいだね。

 

しばし、沈黙の時間・・。
うん。お互いに、何かに気付いている。うん。

 

 

三好:福岡まで、あと1か月少々ですよね。

 

――うん・・・(゚o゚)

 

三好:あと二人・・・ですよね。

 

――お、おう・・・(゚o゚;)・・・

 

三好:・・・間に合いますか?

 

――・・・・がんばる。(゚o゚;)ヤベェ

 

 

おしまいww

 

※おまけ:メイキング映像(笑

インタビュー当日は、土屋里恵先生の「ランナー向け栄養セミナー」が行われていました。実は三好さん、大学で栄養士の資格を取得しているそうです!

ランナー向け栄養セミナー

良いフォームに良い食事。初めての福岡国際に向けて、準備万端です!!

 

※おまけ(その2)しまだ大井川マラソンで総合4位入賞!

この記事の最終校正中に行われたしまだ大井川マラソンで、三好さんが見事総合4位入賞を果たしました!

三好真司大井川マラソン

年代別3位の賞状を掲げる三好さん。その表情・・あれっ(以下略

後半は単独走となった中で、2時間35分台をマークされました。
福岡国際マラソンでの活躍が楽しみですね!!

-Road to Fukuoka, インタビュー


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