ランニング人口の増加に伴い、ランナー達の”マナー違反”に関する話題も、よく耳にするようになりました。
そのうちの一つが「立小便」の問題。
主に、マラソン大会のスタート前などに、トイレの列に並ばずにその辺に立小便を・・という方(主に男性のはず・・)を見かけたり、そういう参加者に対しての苦言を、たびたび見かけることがあります。
ちょっと緊張するも束の間、一人の愚か者がセンターラインの柵を乗り越えて、反対車線の路肩めがけて走り、そこで立ちション開始。一人がそういう愚行をすると我も我もと群集心理。なんと愚かな図だろう。
たまらずに、「立ち小便は失格で~す!」と叫んでみたものの焼石に水状態。スタート台上の河野委員長の話が始まっても小便軍団?は収まらない。その時は、なぜこの委員長は台の上からコースを見下ろせる位置にいてマイクを持っていながら、立ち小便者の愚かな行為を嗜めないのだろうと不思議に思った。だって、目の前で何十人もの人が立ちションしてるんですよ!
出典:とはは@ぐむむ
マラソン大会、
特に地方で行われるフルマラソンに出場される男性の皆様にお願いです。
立ちション行為は止めて下さい m(_ _)m
去年福知山マラソンに出た時、
それはそれはそこら中で、
田んぼや民家の壁や木に向っている男性ランナーの姿を見ました。
もちろん、仮設トイレはちゃんとありました。
確かに福知山のスタート周辺のトイレの数は少ないと思います。
特に男性分はかなり少ないと思います。
スタート直前までトイレに並んでる人たくさんいましたね。でも、だからって、
立ちションしていいってことはないでしょーーーーがーー!!!( ̄ヘ ̄;)
出典:オカン、アスリート始めました
そして該当号の発売日、さっそく記事をチェックすると・・・「TVには映らない 東京マラソン 立ちションで臭気モウモウ」のタイトルが。
(中略)
もっとも主張したい「(立小便は)快く応援してくださる地元の方々を傷つける失礼な行為」という文言をしっかり押さえてくださっていました。
出典:名古屋ランニングジャーナル「一般週刊誌がマラソン大会の立ちション問題を取り上げる。」
トイレ以外の小用はエチケット違反!
とくしまマラソンの特徴でもある吉野川沿いのコース。
自然の中を走るのでついつい気を許して、立小便をしているランナーがいます。
美しい吉野川を汚して、他のランナーや応援している人も不快な思いをさせてしまいます。
出典:とくしまマラソン2015マナーアップ大作戦
ここに取り上げたのは4つの記事ですが、多くのマラソン大会でこういった声が出ていますし、
「マナー10箇条」のような標語を作って呼びかけをするなど、様々な活動が行われているようですが、なかなか無くならないのが現状のようです。
でもね、でもね
立小便は立派な”軽犯罪法違反”です!
多くの方がご存知かと思いましたが、改めて。
「立小便」行為は、軽犯罪法第1条26項にて、明確に処罰(罰金・懲役)の対象とされています。
軽犯罪法
(昭和二十三年五月一日法律第三十九号)
最終改正:昭和四八年一〇月一日法律第一〇五号
第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
一 人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者
(中略)
二十六 街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者
立小便行為は、マナー違反とか、思いやりが欠けているとか、近所の人のことを考えなさいとか・・そういうレベルではなく、犯罪なのです。
なぜ犯罪なのかというと、「見ていて不快」だとか、「匂いの問題」だけでなく、地下水汚染や衛生面の問題など、影響が長期または広範囲に広がる恐れがあるためです。
もはや、マラソン大会だけの問題にとどまらない、大きな罪なのです。
立小便の撲滅に苦慮している大会事務局の皆様は、とても大変そうですが、極論を言えば、そんな犯罪者たちは、事務局が苦慮する相手ではないのです。
ブースの物を盗んだとか、スタッフを殴ったとか、そういうものと同じレベルで「犯罪者」として扱えば良いのです。
犯罪者への対処は、警察の仕事ですから、立小便をした参加者は、失格とかそういう問題ではなく、警察のお世話になれば良いのです。
個人的にも、大会スタッフの皆さんには、犯罪者への対処に頭を抱えるような辛い仕事ではなく、大会を盛り上げるような明るく前向きなお仕事を頑張ってもらいたいなーと思うのです。その方が、参加する側も、運営する側もみんなハッピーになれるのに・・と。
・・・。
ちょっと話を大きくし過ぎたかもしれませんが、法治国家である日本において、法律を「知らなかった」では済まされません。
法律を知り、法律を守ることが、法治国家である日本国民の義務の一つです。
もし、あなたが立小便をして、いきなり警察に逮捕され、ランシャツ姿のまま取り調べを受け、「逮捕された人」ということで信用を失う(もしかしたら仕事も?友達も?家族も?)・・・ある日そんな未来が来ても、誰を恨むこともできません。
日本はそういうルールで動いているのですから。
※現実的には、「大会が警察沙汰になった」という印象を持たれてしまうのも良くないので、そんなに簡単に「はい通報!」とはいかないことと思います・・・。でもなぁ、なんだかなぁ。立小便を注意したスタッフさんに、逆切れしてるランナーを見てしまうと・・スタッフさん可哀想なんですよね・・休日返上で頑張ってくれてるのに。
「マナー違反」と言われがちな「実は犯罪!」あるある
ランニング中にごみを捨てた
軽犯罪法第1条27項、廃棄物処理法第16条、捨てた場所の条例、捨てるものによっては道路交通法第76条4項
マラソン大会中に、決められたゴミ箱やその付近に捨てる場合は犯罪にはなりませんが、ごみ箱が全くない場所(主催者による清掃が行われない場所)や、トレーニング中に道端に捨てるなどは、犯罪です。
歩道が凸凹して危ないので、車道を走った
道路交通法 第10条2項「歩道通行の原則」
マラソン大会中は、主催者の指示通り走っていれば、問題になることはありません。
しかし、主催者が歩道走行を指示している場合や、トレーニング中などで、車道走行をすることは、やむを得ない理由(工事中、歩道駐車等)が無い限りNGです。
車道の車が渋滞していたので、間をすり抜けて反対側に渡った
道路交通法 第13条1項「車両等前後での横断の禁止」
大会中は有り得ないかもしれません。トレーニング中には十分、注意しましょう。
もちろん、ランニングのマナーを守ることは大切ですが、一般に「マナー違反」と言われるものでも、はっきりと「犯罪」として定義されるものがいくつかあります。
自分や仲間が犯罪者にならないためにも、そして、多くの人たちが気持ちよく、マラソン大会を楽しめるよう、しっかりと心構えを作っておきたいものです。
念のため、もう一度、書いておきます・・
「犯罪でないから、やっても構わない」という考え方は論外ですよ!!
人に迷惑をかける「マナー違反」は、絶対にやめましょうね!!