日本一過酷な駅伝「富士登山駅伝」の戦いは、前日から(遠方チームは金曜から)始まっています。
(この記事は前編の続きです)
土曜日AM6:30 相模原を出発
最寄り駅で拾ってもらい、御殿場に向かいます。
そんなに早く出なくても良いじゃないか!と思うかもしれませんが、富士登山駅伝のチーム受付は前日の9時半で締め切られてしまうため、これでも結構ギリギリです。
8:30 御殿場に到着
受付&開会式の会場となる御殿場市陸上競技場。
この時間でも、既に沢山の人が集まっていました。
9:00 到着&受付
9:15 開会式までマッタリ(*´ω`)
開会式まで、まだ少し時間があります。
ちょっと会場を、散策してみましょうか。
会場では、ちょっとしたお店もありました。
大会のオリジナルグッズなども。でも駅伝競技大会!?(たぶん間違ってる・・)
富士登山駅伝の正式名称は「秩父宮記念第41回富士登山駅伝競走大会」
こちらが、その冠でもある「秩父宮記念賜杯」です。総合優勝チームには、この杯を一年間保持する栄誉が与えられます。
入賞チームには、御殿場のお米「このはなの恵み」が贈られます。
富士登山駅伝のメダル。
日本全国から、この駅伝に賭ける猛者たちが集まる富士登山駅伝のメダルを首にかけることができるのは、ほんの一握りの選手達。
9:30 安全祈願式
マッタリしすぎていたら、いつの間にか安全祈願式が始まっていました(ゴメンナサイ・・)。
この安全祈願式、今年からの試みで、過酷な自然環境でのレースが安全に終わるよう願って、開会式の前に実施されることになりました。
10:00 開会式
開会式。
安全祈願式は山の方を見て整列していましたが、開会式はスタンド側を見て整列。
山頂待機している自衛隊との交信が行われました。
11:00 山頂区を見送る
開会式が終わると、山頂6区の選手(と付き添い)は、すぐに登山口行きのバスに乗り込みます。
山頂区はこれが点呼代わりとなっていて、このバスに乗らないと失格になってしまいます。
橋本走友会の6区であり、Citymarathon編集部の西山さん。
しっかりと点呼を行い、準備万端です。行ってらっしゃい!
12:00 太郎坊で前日練習
4区~6区の山岳区間は、低酸素での戦いを強いられますので、前日の調整は非常に重要です。
筆者は標高1400mから2000mを走る4区を担当しますので、セオリー通り、低酸素下での刺激走を軽く行ってから、すぐに下山しました。
※翌日のスタートをスムーズにするには、前日に多少の酸欠状態を作っておくことは重要ですが、だからといってあまり長く低酸素状態に身体を置いておくことも、回復力という視点ではあまり良い事ではありません。終わったらすぐ下山。
13:30 お昼
ここからは結構暇なので、とりあえず昼食を摂ることに。
オリンピック開会式の様子を見ながら、ごはん処を探します。
結局、ごはんは御殿場市陸上競技場すぐ横の蕎麦屋に決定。
手打ち蕎麦「いちゑ」。
何とコレが大当たり。めちゃくちゃ美味いお蕎麦でした。
天せいろそば 1400円。
14:30~19:00
前日の開会式に参加する人にとって、前日の午後ほど、暇を持て余すときはありません。
ご存知の方も多いと思いますが、この記事の第一弾は、そんな時間を利用して作られた記事です。笑
来年は何してようかな・・
19:00夕食
午後出発組も集まって、19時に夕食です。
20:00ミーティング
食事が終わると、当日のタイムスケジュールや荷物のやりとり等、大事なミーティングが行われます。
写真は、お金の清算をしているのですが、なんか賭け事してるみたいですね。法外な賭け事はダメですよ。
22:00 就寝??
そんなかんじで、富士登山駅伝の前日は終わります。
明日は、頑張りましょう。
日曜日
あんまり寝れませんでしたが(知るかよ)、とうとう駅伝当日の朝が来てしまいました。
さぁ、慌ただしい一日が始まりますよ。
5:15 起床
5:15起床。外は快晴。宿からも、富士山が綺麗に見えます。
5:30 朝食
カメラ忘れました。まぁ、眠そうな男たちがメシ食ってるだけですから、どっちでもいいですよね(笑)
6:00 出発
チームカーは2台。1台は御殿場口新五合目へ、もう1台は青年の家へ。
仕事が遅くなり、前夜のミーティング後に到着した、Citymarathon編集部の三好さん。
今年も、1区を担当する、橋本走友会不動のエース。
軽く打合せをして、出発。
1区は御殿場駅前スタートのため、車には乗り込まず徒歩でスタート地点へ向かいます。
頑張ってね~!
6:30 第2中継所で3区齋藤さんを見送る
3区を走る齋藤さん(右)と、付き添いの松本監督を、第2中継所「馬返し下」で見送ります。
齋藤さんも、何年も3区を担当し続けているスペシャリスト。調子は上々とのこと。
6:45 太郎坊到着
ようやく、筆者が走る4区のスタート地点である第3中継所「太郎坊」に到着。標高は約1400m。
正確には、太郎坊という場所はもう少し下の地点で、この駐車場みたいなところは「御殿場口新五合目」と呼ぶらしい。
ここで、5区を走る細木さんとお別れ。
5区の選手は、ここから、標高2000m付近の第4中継所「2合8勺」まで、歩いていくことになります(大変だ・・)。
中継所には、大会側が準備してくれたテントがありますので、選手の場所取りにはさほど苦労をせずに済みました。有難い。
7:15 サポート古川君と合流
少し暇をつぶしていると、間もなく付き添いの古川君が来てくれました。
昨夜に富士登山を開始し、御来光を拝んでから下山して、眠い目をこすりながら朝食を摂っていたところを強引に、撮影に応じてもらいました(笑)
現在は故障明けにつき、惜しくもメンバー漏れしてしまった古川くんですが、彼も今年の東京マラソンで2時間34分台をマークした実力者。来年は、レギュラー争いに間違いなく加わってくることが予想されます。
8:00 スタート
そうこうしているうちに、あっという間に1区のスタート時間になってしまいました。
あと1時間少々で、3区の走者がやってきます。
筆者がタスキを運んでいく中継所が見えました。あの高さまで走るんですね。
橋本走友会は、8:47ごろに第2中継所を通過したと、松本監督から連絡が入りました。
こうやって、各サポートから情報が入ってくると「チームみんなで戦っている」という感じがします。
8:55 中継所が騒がしくなってきた!
先頭ランナーがやってくるということで、選手や関係者が集まってきました。
先頭は、総合連覇を続ける滝ヶ原自衛隊。ものすごいスピードで走り抜けていきました。
9:10 タスキを受け取る
総合で30番手くらい、一般の部では15番目に、3区の齋藤さんがやってきました。
混雑した中継所の中で、筆者のスタートを何とか撮影してくれた古川くん。ナイス。
9:44 タスキを渡す
2つ順位を下げ(15位→17位)5区の細木さんへタスキリレー。
ここから約2時間、この急斜面で過ごします(笑)
やることがない。
しかも、日差しを遮るものが無い。
走って行った先なので、スマホも使えないし、写真も撮れない(笑)
何もないので、だいちパパから戴いた西山さんの写真を。
それにしても、走る選手は良いにしても、走らないでサポートに回っている方々には、本当に頭が上がりません。
特にこの5区・8区の付き添いは、はっきり言って約5時間程度、斜面に立っているか座っているくらいしかやることがなく、トイレも一つしかなく並ばざるを得ない、過酷なサポート業務です(ポケモンも居なかったらしいです。笑)。
少しでも、楽しんでもらえるように、頑張らなくては。
11:00 準備を始める
下りの準備を始めます(サポートの武藤さんが撮影してくれました)。
8区の下りは「大砂走り」と言って、柔らかい砂の中を猛スピードで駆け抜けます。
足元は柔らかく、靴はかなり地面に埋まってしまいますので、こうしてガードしておかないと砂が靴に入って走りづらくなります。
ちなみに、多くの選手がガムテープで補強していますが、筆者はご覧の通りテーピング派です。ガムテープよりも細かい砂がすり抜けてしまいますが、靴や足にまとわりつく伸縮性は抜群です(下山区間で厄介なのは「靴に入り込む小石」です。細かい砂は、あまり影響はありませんので、前面も特にカバーはしません)。
11:35 タスキをもらう
飛します。とにかく飛ばします。
特に、8区には「繰り上げ」の心配がありますので、走者は急いで下らなければなりません。
富士登山駅伝のルールでは、原則スタートから4時間後にあたる「12時00分」に、9区太郎坊での繰り上げスタートが実施されます。
とはいえ、毎年この12時に間に合うチームは参加チームの半数にも満たないため、通過チーム数を見て12時05分、12時10分といったあたりに伸ばされます。
今回、筆者チームは幸いにも繰り上げを気にする時間ではありませんでしたが、多くの8区走者にとってこの「いつ繰り上がるか分からないシステム」はドキドキの種です。
11:43 タスキを渡す
8区終盤の小屋前で、多くの観衆の前でズッコケてしまった(しかも襷に傷を付けてしまった)筆者でしたが、なんとか9区齋藤さんに中継。
またしても古川くんが、隠れた写真撮影スキルを発揮。泥だらけの筆者をうまく撮ってくれました(せっかくなので小さ目に公開w)。
ちょうど、筆者が走り終えてすぐの時間に総合優勝の滝ヶ原自衛隊がフィニッシュ。
会場では、ラジオ中継が流れていて、フィニッシュ地点の様子を知ることができました。
ここからしばらくは、レースの経過を見ながら山岳区間の選手たちを待ちます。
12:00 治療をする
両ひざ、左もも、左肩に擦り傷を負った筆者は、とりあえず救護室で治療をしてもらうことに。
ただ、全部擦り傷なので結論は「水で洗ってこい」とのことに・・・
洗いましたよ。軽く悶絶しながら。
12:05 繰り上げを見届ける
今年は12:05でした。治療中につき写真なし・・
12:40 クールダウン
太郎坊の駐車場でクールダウンをしながら、多くの知り合いランナーの皆さんにお会いしました。
今日のレースがどうだった、こんな失敗をした・・等々、楽しい時間を過ごさせてもらいました。
13:00 ようやく全員が揃う
ようやく、山頂区の西山さん&猪又さんが下山してきました。
13:50 競技場着
前日には、午前中に山頂区が出発するため、ここでようやく、全員が揃いました。
松本監督からの労いのお言葉。
ちなみに松本監督も、2009年の野辺山ウルトラ100km準優勝の実力者。
会場でお会いしたDRACの佐熊さんと、編集部三好さん。
違うチームの皆さんと、こうしてお会いできるのも、富士登山駅伝の楽しみの一つです。
ちなみに、奥では閉会式が行われていました。
富士登山駅伝の閉会式は、自衛隊関係者と、表彰対象者が出席します。
最後は、記念撮影(15:00頃)
こうして、橋本走友会の富士登山駅伝は幕を閉じました。
チームの結果はコチラから↓
選手の力だけでなく、多くのサポートの力と、相応の時間・費用をかけなければ戦うことすらできない「日本一過酷な駅伝」ですが、
「やっぱりそれでも参加したい!」と思うほど、とても魅力的な大会の様子を少しでも、お伝えできていれば嬉しい限りです。
おしまい。
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ランナーズチームも参加していました。