東京マラソンが開催された2月末。
選手、スタッフ、ボランティア、応援など、様々なかたちで関わっている皆さんの思い出の数々で、筆者のタイムラインは埋め尽くされていました。
しかし、同じ週末に開催されていたのは、もちろん東京マラソンだけではありません。
ふかやシティマラソン、犬山ハーフマラソン、そうじゃ、鹿島祐徳などなど、たくさんのマラソン大会が開催されていました。
そんな中、マラソン大会とも少し趣の違うガチレース「クロスカントリー日本選手権」が2/27(土)、福岡で開催されていたことをご存知でしょうか?
神野大地選手(青学大)が学生トップとなる2位になったことでもニュースとなり、ご覧になった方も多いかもしれません。
その名の通り、クロスカントリー走の日本一(&世界クロカン代表選手)を決める「クロカン日本選手権」に、果敢にも挑んでいった市民ランナーの一人、オオタカ君。
ランニング業界を熱くするのは東京マラソンだけじゃない。そんな若武者オオタカ君の挑戦の記録を、ご紹介したいと思います。
人物紹介:大高達典(おおたか・たつのり)くん
プロフィール
平成6年生まれの21歳・秋田県出身。
会社員として生きる傍ら、1500mや5000mなどのトラックレースを中心にスピードを磨く若き市民ランナー。
「速くなりたい」の想いを叶えるためにとことんチャレンジする!そんなバイタリティーあふれる良い男。
おさらい:クロスカントリー日本選手権
2015年まで、千葉と福岡で開催されていた「国際クロスカントリー」のうち、世界クロカン選手権への選考が福岡に一本化される形で、2016年から開催されることになった大会。
(~2015)千葉国際クロスカントリー →(2016)千葉クロスカントリー
(~2015)福岡国際クロスカントリー →(2016)クロスカントリー日本選手権
といった感じでリニューアルされた初年度。
一般男子の部は、5000m公認記録で17分以内であれば出場可能です。
福岡に行くよ!
初めての九州上陸となったオオタカ君。金曜日は休暇を取って前日受付へ。
※当日受付もあります。
博多駅に着いたよ!
受付を済ませて
共同インタビュー(の見学?)へ。
参加賞Tシャツ。
競技者タグ。
ゼッケンは1058番。
大会当日!
大会は日本選手権ということで、もちろんテレビ放送もありの大型イベント。
会場にはオーロラビジョンが設置されていました。
レース前のオオタカ君。頑張ります。

ちょっと緊張気味の大高くん・・
全国から強者たちが参戦!
ジュニア男子8kmの部。写真先頭は、先日開催された相模原クロスカントリーでも優勝した松尾淳之介選手(秋田工業)。
写真二番手にいるのが優勝した吉原工業高の渡邊選手。
ジュニア女子6Kmの部。4092立命館宇治の安藤富貴子選手が優勝。
そして・・シニア男子12kmの部
大高君が出場したのはシニア男子12km。
上位に入ると陸上日本選手権と、春のグランプリシリーズへの道が開けることもあり、駅伝シーズンに活躍した日本のトップ選手たちが集いました。
(優勝者は無条件で日本選手権10000m出場権&グランプリシリーズ招待を、3位以内はB標準突破で同出場権が与えられる)

写真は2月中旬の千葉クロカン
1名のオープン参加を含めて41名の出走。そして40位でのフィニッシュとなった大高君。
やっぱり・・日本選手権の壁は厚かった!!
ちなみに・・・市民ランナーの出場は2名!
1 市田 孝 Ichida Takashi 旭化成 35:59
2 神野 大地 Kamino Daichi 青山学院大学 36:02
3 茂木 圭次郎 Mogi Keijiro 旭化成 36:15
4 田村 和希 Tamura Kazuki 青山学院大学 36:21
5 服部 弾馬 Hattori Hazuma 東洋大学 36:32
6 馬場 翔大 Baba Shota 駒澤大学 36:35
38 1042 会沢 直矢 Aizawa Naoya SWAC 44:09
40 1058 大高 達典 Ootaka Tatsunori 能代山本陸協 47:17
38位の会沢選手も、フルマラソン2時間33分台の記録を持つ市民ランナー。大学生や実業団ランナーに果敢にチャレンジしました。
千葉・福岡に分かれて開催されていた頃は、市民ランナーも各10名ほどエントリーがありましたが、日本選手権に一本化された今回、かなりエントリー人数が減りました。
「日本選手権」という名前に負けることなく、福岡へ向かったお二人のチャレンジ精神に拍手を贈りたいと思います。
オオタカ君のコメント
ご本人より、レースを走ってみた感想などを聞かせていただきました。
このたびは僕のことを記事にしてくださって、ありがとうございました。
スタート地点、周りはテレビでしか見たことのなかった有名選手や強豪チームばかり。日本選手権ならではの緊張感は、今までの競技人生で味わったことがなかった空気感でした。レースは、スタート直後に置いていかれ「レースに全く混ぜてもらえなかった」という感じでした。先頭集団からは、あっという間に周回遅れです(ちょっとテレビに映ったとか)。
そんな状況の中、沿道の方々はトップ選手が走り終わっても帰らず、最後尾を走る僕を声援して下さった方も多く、とても嬉しかったです。
中には、プログラム片手に「オオタカがんばれ!」と、僕の名前を呼んでくださった方もいらっしゃいました。本当に感謝の気持ちで一杯です。あのレース以降、走っていてキツくなった時に、この経験を思い出すとすごく頑張れます。
大会の資格記録は「5000m17分以内」だったので、僕でも参加できる!と喜んでいたら、参加選手の大半が5000m13~14分台だったために、痛い思いをしてしまいました(だいたい予想通りでしたが・・・笑)
記録的には、市民ランナーでもじゅうぶんに参加可能なタイムなので、これを機に、多くの市民ランナーの皆さんがチャレンジしてくれたら嬉しいです!
(場所が福岡なのが、東日本のランナーにはハードルが高いかもしれませんが・・・)
オオタカ君、お疲れ様でした!!!
クロカン日本選手権コース紹介
ちなみに、クロカン日本選手権はこんなコースで開催されています。
昨年までの「福岡国際クロスカントリー」と同じコースです。
こちらは「キャメルヒルズ」という丘。見た目以上に傾斜があります。
こちらは「サンドセクション」。5年前くらいから導入された砂地区間で、脚力の強さが試される場所です。
コース最大のアップダウンを誇る「ビッグパワーヒル」。レースの見せ場であり、一番の勝負どころです。
そしてこちらがヘアピンカーブ。「不整地でのコーナーワーク」の高い技術が求められます。
道路で開催されるマラソンや、陸上トラックの大会などでは鍛えられない、総合的な走力・バランス感覚が養われるコースです。
資格記録(と覚悟)さえあれば、練習として参加してみるのも、良いかもしれません。
運が良ければ世界クロカンに選ばれるかもしれないし!
今年が第99回!ということは
来年、2017年大会は記念すべき100回目の大会です。
参加資格をお持ちの方、ぜひ参加を検討してみては!?
Photo by Ohtaka Tatsunori