2018年7月19日のニュース。
陸上女子長距離の強豪実業団チーム、ユニバーサルエンターテインメントの元選手(昨季限りで引退)が、昨年11月に行われた全日本実業団対抗女子駅伝でのドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示していたことが18日、複数の関係者への取材で分かった。
昨年のクイーンズ駅伝、ユニバーサルエンターテインメントは日本人選手のみで戦い、トップでゴールしました。
6人の優勝メンバーのうち、昨季で引退した選手は一人しかいませんので、、特定は可能ですが、ここで書くのはやめておきます。
チームは同駅伝で5年ぶり2度目の優勝を果たしたが、同選手の成績は抹消されるため、優勝が取り消される前代未聞の事態となる。
こういったドーピング事案が発生するたびに、「楽して勝とうなんて言語同断!」と言って、騒ぐ方々がいますが、現時点で判明している事実は「陽性反応があった」というだけです。
関係者によると、元選手がレース前に個人的に治療薬を使用し、その中に禁止薬物が含まれていた。本人は競技力を高める目的での使用は否定しているという。
記事にもあるように、いわゆる「うっかりドーピング」の可能性があるということ。
あまり画一的な表現をするのも良くないですが、集団生活が染みついている日本人が、「駅伝」という競技で、バレたらチーム全体に迷惑になる「ドーピング」を、意図的にやるとは、少々考えづらいです。
通常、ドーピング検査では検体を2つ用意しており、一つ目のA検体で陽性反応があった場合、選手側はもう一つのB検体で再検査を要求できます。
記事中の「陽性反応」が、どの段階を示しているのかはわかりませんが、もし陽性反応に対して反論の余地がない状態なのであれば、ご本人の意図がどうであれ、禁止薬物による競技力向上が認められてしまうことになるので、優勝の剥奪は免れないでしょう。
しかし、それは選手の人間性を否定することとは違います。
確かに、競技者である以上、うっかりドーピングを予防する使命はありますが、ミスをすることは誰にでもあり得ます。
また、ドーピングの禁止薬物リスト(PDF)は膨大ですから、そのすべてを把握することは困難であり、チームドクターの役割とされることが多いです。
何か一つ、大きなことをやってしまうと、徹底的にたたかれてしまう今の日本。
「優勝は認められないけど、運が悪かったね。」
そんなふうに、言えるような結果になることを祈ります。